シナリオ作家 検索結果

検索ワード: 松田寛夫

全4件

0課の女 赤い手錠 表紙画像

0課の女 赤い手錠

神波史男,松田寛夫

990円(税込)

2022-11-28

脚本の神波、松田コンビにとっては、「さそり」シリーズに続く篠原とおるの人気劇画(「リイドコミック」連載)のシナリオ化。この頃、神波と松田は「とにかく暴力映画をとことんやろう」という興奮状態が続いており、若い監督たちを刺激しまくっていた。「0課の女」は野田幸男監督の最高傑作と評されている。
シナリオでは、前半から米軍機やデモ隊のカットが挿入される。舞台となっている場所が基地の街だからであるが、それらは「シーン80」の壮絶な戦いに織り込まれるイメージシーンで昇華する。犯人と被害者、女刑事それぞれのイメージが「かあちゃーん!!」のセリフに重なったとき、すべては許されたのかもしれない。
「0課の女」は平成になってから何度かVシネマでもリメイクされている。


底本:「映画芸術」1975年4〜5月号(No.304)

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花いちもんめ 表紙画像

花いちもんめ

松田寛夫

990円(税込)

2022-11-30

この映画シナリオは「恍惚の人」と並んで、いわゆるボケ老人問題を扱った先駆的な作品である。1985年にはまだ認知症という言葉がなく、登場する医者は老考古学者を痴呆症と診断するのだった。現代は少子高齢化がますます極まり「ボケ老人」も増加の一途をたどっている。親がまたは自分自身が認知症になることは多くの人が確率の高い事例としてあらかじめ覚悟しているのではないだろうか。シナリオが書かれた時代に比べると、現在は医療体制が違っているが、家族のやり切れない思いは不変である。その意味において、シナリオはまったく古さを感じさせない。
「花いちもんめ」は、老考古学者が痴呆症で壊れていく様を通して、彼を介護することによって壊れていた家族が再生していく、人間のはかなさと強さを描いたドラマである。

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柳生一族の陰謀 表紙画像

柳生一族の陰謀

深作欣二,野上龍雄,松田寛夫

990円(税込)

2022-11-28

東映が、「仁義なき戦い」以降の実録路線の打開策として、12年ぶりに製作したオールキャストの本格的時代劇。映画は大ヒット。ラストの度肝を抜くどんでん返しに賛否両論うずまき、話題になった。野上龍雄は次のように書いている。
「(略)時代劇をやらんかという話があった。何かピッタリ来る感じがあった。江戸時代なら難しいと返事をしたら、もう少し古くてもいいと言う。それで決まった。狙いは初めからすぐついた。稀有のことである。だからといってスムーズに出来たわけはないが、少なくとも迷いはなかった。ヤワな奴、シラけた奴、己れをロングに置いて滔々と鳥瞰図を語る奴は書くまいと思った。そうではなくて、自分の信じるままに生き、その故に闘い、そして死んでいく個体の群れを書こうと思った。
 ひどく簡単なことだ。しかし、これは時代劇だから可能なのだ。各人が夫々の胸の中にある熱い思いが具現されるのは、多分、送り手も送られる側の誰もが経験したことのない時代の中でこそ……。」
第2回日本アカデミー賞優秀脚本賞、作品賞、主演男優賞、助演男優賞、技術賞を受賞。

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女囚701号 さそり 表紙画像

女囚701号 さそり

神波史男,松田寛夫

990円(税込)

2022-11-28

1972年は「子連れ狼」など多くの劇画が映画化されている。「女囚701号 さそり」も東映の企画でその中の1本だが、劇画の設定をなぞることなく、独自のキャラクターを確立して注目された。その後「さそり」は、映画で7本、Vシネマで3本作られている。

底本:「'72 年鑑代表シナリオ集」(シナリオ作家協会編、ダヴィッド社刊)

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