シナリオ作家 検索結果

検索ワード: 水木洋子

全13件

純愛物語 表紙画像

純愛物語

水木洋子

990円(税込)

2020-02-03

原爆の被爆者問題をテーマにした水木洋子のオリジナルシナリオ。1957年公開。この年に「原子爆弾被爆者の医療等に関する法律」が制定された。主人公の青年(江原真二郎)と少女(中原ひとみ)は戦災孤児。スリで生活しているがお互い惹かれ合い、真面目に生きようと決心する。しかし、混沌とした焼け野原で彼らが生きていくのはただでも過酷なのに、少女の体にさまざまな変化が起こり、二人の純愛は目に見えない戦争に翻弄され続けるのだった。ベルリン国際映画祭銀熊賞、キネマ旬報ベストテン第2位、毎日映画コンクール監督賞・録音賞、日本シナリオ作家協会シナリオ賞を受賞。


1957年/東映/監督:今井正/主演:江原真二郎、中原ひとみ

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怪談 表紙画像

怪談

水木洋子

990円(税込)

2020-02-03

文芸プロダクションにんじんくらぶが資産を投じて製作。1965年、東宝が配給した。小泉八雲の原作を水木洋子が脚色。「黒髪」「雪女」「耳無し抱一の話」「茶碗の中」の4つの話がオムニバス形式で描かれる。4話は独立しているが、シナリオではシーンナンバーは通しでふられている。カンヌ国際映画祭審査員特別賞、ローマ国際映画祭監督賞、アカデミー賞外国映画賞、キネマ旬報ベストテン第2位、毎日映画コンクール撮影賞、美術賞の栄誉に浴したが、興行収入が制作費にとどかず、にんじんくらぶは倒産した。


1964年/時代劇/文芸プロダクションにんじんくらぶ/監督:小林正樹/原作:小泉八雲/主演:新珠三千代、岸恵子、中村賀津雄、中村翫右衛門

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妖婆 表紙画像

妖婆

水木洋子

990円(税込)

2020-02-04

原作は芥川龍之介の短編。水木洋子は主演の京マチ子の芸域が広がるのイメージして脚色したという。まだホラーという言葉がない時代、オカルト映画と言われた。ポスターの惹句は「邪霊が美女の精気を吸う! 妖気が迫るオカルト!」。公開は1976年。京マチ子は悪霊に取り憑かれた薄幸な女性を十代から老婆まで演じた。


1976年/永田プロダクション、大映/監督:今井正/原作:芥川龍之介/主演:京マチ子、稲野和子、江原真二郎、児玉清

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ひめゆりの塔 表紙画像

ひめゆりの塔

水木洋子

990円(税込)

2020-02-04

第二次世界大戦末期、米軍の銃弾が降り注ぐ沖縄で、女子学生たちが看護婦として動員され最前線に立った。彼女たち「ひめゆり学徒」が悲愴な最期へと追い詰められていく様を辛辣に描いた戦争映画の傑作。1953年公開。当時の沖縄は米軍の占領下にあったため、少女部隊の資料は皆無に等しかった。水木洋子は沖縄戦の傷病兵を訪ね、病院壕の状況、進撃コース、ひめゆり部隊の足取りを探りあてていく。そのうえで、彼女は「群像の一人々々の行動を縦横の線の図式表につくり、何月何日何時、誰は何処で何をしたかを区分して群像の処理にあたった。そして性格づけもタイプも生々と目に浮かぶようになって、やっと執筆にかかった」と記している。映画は大ヒットとなり苦境に陥っていた東映を救ったとされている。水木洋子は第一回菊池寛賞を受賞した。


1953年/東映/監督:今井正/主演:津島恵子、岡田英次、香川京子、小田切みき

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喜劇 にっぽんのお婆あちゃん 表紙画像

喜劇 にっぽんのお婆あちゃん

水木洋子

990円(税込)

2020-02-04

戦後の高度成長はそれまでの三世代で暮らすのが一般的であった家族制度を崩壊させた。その中で老人の身の処し方に焦点を当てた、当時としては先端的な作品であり、ストーリーではなく一日半という限られた時間を短編的に構成した冒険的な作品でもある。興行的には成り立ちにくいテーマゆえ、監督(今井正)と製作(市川喜一)、脚本の水木洋子でプロダクションを設立して製作、松竹によって配給された。1962年公開。水木が「養老院で働いている友人を尋ねた時、おびただしい数の老人が食堂に集まってくる姿を見て、画面いっぱい老人ばかりの群像を描いてみたい」と思ったのが発端。北林谷栄、ミヤコ蝶々をはじめとするそうそうたる老人役の名優たちが出演している。


1962年/M・I・Iプロダクション/監督:今井正/主演:ミヤコ蝶々、北林谷栄、飯田蝶子

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キクとイサム 表紙画像

キクとイサム

水木洋子

990円(税込)

2020-02-03

ハーフの差別と戦争の爪痕を鋭くえぐった水木洋子のオリジナルシナリオ。1959年公開。戦後、黒人の駐留米兵と日本人女性の間に産まれた小学生の姉弟。父はすでにアメリカへ戻り、母は死亡。二人は祖母と山間部で生活している。黒人ハーフをからかう差別用語が頻繁に飛び交う。まるでそれが日常の言葉のように。体が大きく力もある姉は同級生の男子に猛然と立ち向かう。和解はない。大人たちも今日のご飯を食べるので精一杯、余裕がない。そんな姉と弟にもやがて変化がおとずれる。キネマ旬報ベストテン第1位、毎日映画コンクール日本映画大賞、脚本賞、女優主演賞、演技特別賞を受賞。


1959年/大東/監督:今井正/主演:高橋恵美子、奥の山ジョージ、北林谷栄

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あれが港の灯だ 表紙画像

あれが港の灯だ

水木洋子

990円(税込)

2020-04-28

1961年度のキネマ旬報脚本賞受賞。テーマになっている李承晩ラインは、1952年、韓国が海洋資源の獲得のため一方的に引いた軍事境界線、排他的経済水域である。数多くの日本漁船が拿捕された。水木洋子はそのニュースに接し、漁民の「いくら危険だと分かっていても、魚をとらなければ生きていけない」という声を聞きき、映画化を決心。長崎でのシナリオハンティングなど1年半にわたる調査を経て、オリジナルシナリオを書いた。主人公の漁師は在日韓国人の青年。木村「一生、自分の生まれバかくして生きようと思った。日本人を憎みながら、日本人になりきろうとする…自分の気持が…どうにもやりきれん時がある」。李承晩ラインとともに、民族問題も取り上げることによって国際問題の本質に迫ろうとした意欲作である。

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もず 表紙画像

もず

水木洋子

990円(税込)

2020-04-28

1960年にオンエアされた水木の書き下ろしテレビドラマ「もず」(NTV)を映画化した作品。母と娘の愛憎を鮮やかに描く。1961年、キネマ旬報脚本賞受賞。当時、水木洋子はこの作品について次のように記している。「母子の愛情といえば、美しく清らかなものという表面的な観察で描かれてきたものだが、母も人間であり一人の女であり、子も一人の人間であることに違いはない。その愛の交流には女という動物的感情、そして生きものとしてのエゴイズム、しかもなお親子と断ちがたい絆のつながり。その愛憎のからみ合う姿は悲しくも美しい人間ドラマであると思う。私は、それを感傷の曇った眼で甘やかすことなく、真実を厳しく見つめることに、この『もず』の目的があった」。

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甘い汗 表紙画像

甘い汗

水木洋子

990円(税込)

2020-04-28

京マチ子がテレビドラマに初出演するにあたり水木洋子が書き下ろした作品「あぶら照り」を、2時間の映画にリメイクした。1964年、キネマ旬報脚本賞受賞。まだ敗戦の名残が色濃い焼け跡。そこに居並ぶ飲み屋街でたくましく生きる女性(京マチ子)とその家族を描く。再開発で取り壊される街は下北沢である。東京オリンピック(1964)というワードはシナリオに出てこないので、再開発とは無関係なのかもしれない。どぶ川、ベニヤ板のしきり、古びた扇風機、サイダー、団地の狭い部屋……雑然とした戦後の街が新しく生まれ変わろうとする様と男に騙されながらも地を這うように大家族を養うシングルマザーの生き様が、夏の降り注ぐ日差しの中で見事にシンクロしている。名作である。

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浮雲 表紙画像

浮雲

水木洋子

990円(税込)

2020-04-28

水木洋子脚本、成瀬巳喜男監督、二人の代表作に挙げる人も多い傑作である。1955年、キネマ旬報ベストテン第1位。原作は林芙美子。水木と林はともに作家として南方に従軍した仲である。第二次大戦中、南方の仏印で愛し合った男女が復員し、東京で再会する。ゆき子「……私たちって、行く処がないみたいね……」富岡「……そうだな……どっか、遠くへ行こうか……」。甘い言葉をささやく男であるが、彼には妻があるうえ、生来の浮気性だった。二人の間にはいさかいが絶えない。何度も別れを口にしながらも、ずるずると関係を続けてしまう二人。諦めきれず離れられない女、いつも逃げ腰の男。愛憎劇はどろどろの泥濘にはまりこんでゆく。

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あにいもうと 表紙画像

あにいもうと

水木洋子

990円(税込)

2020-04-28

原作は室生犀星。水木洋子のシナリオで二度映画化されている。1953年の大映作品は京マチ子主演、成瀬巳喜男監督。シナリオ作家協会シナリオ賞受賞。リメイクは1976年の東宝映画作品。秋吉久美子主演、今井正監督。電子シナリオは76年版であるが、基本は旧作とほとんど変わっていない。妊娠して実家に帰ってきた妹に、つらくあたる兄。家族は二人の激しい罵り合い、取っ組み合いにはらはらする。しかし、兄は誰よりも妹を気にかけ愛していた。大切な人だからこそ、気持ちとは裏腹にきつい態度をとってまう、その典型を見事に映画シナリオに落とし込んでいる。最後の兄のセリフが効いている。泣かされる

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ここに泉あり 表紙画像

ここに泉あり

水木洋子

990円(税込)

2021-12-03

終戦後の昭和二十二年夏、群馬県高崎に生まれたオーケストラ群馬交響楽団の実話をもとに生まれた。
今井正と水木洋子の往年の名コンビによる作品。映画化するにはストーリーが乏しく、脚本に1年、撮影に6カ月も要したが、群馬県庁や高崎市の後援による尽力もあって完成する。
田舎のアマチュア楽団が葛藤、困難を経験しながら成長していくというシンプルなテーマではあるが、日本の音楽史にとって非常に重要な作品。
ラストシーンの合同演奏会で演奏されるベートーベン第九交響曲は圧巻。作曲家の山田耕筰が自ら指揮したことで話題を呼んだ。

第29回キネマ旬報ベスト・テン第5位。

1955/独立映画・松竹/監督:今井正/主演:岸景子、小林桂樹、岡田英次、加東大介、山田工作/上映時間:177分

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また逢う日まで 表紙画像

また逢う日まで

水木洋子,八住利雄

990円(税込)

2023-06-06

ロマン・ロランの反戦小説『ピエールとリュース』を水木洋子と八住利雄が翻案・脚色した。戦争によって引き裂かれた恋人の姿を描き、戦争の残酷さを訴えている。
水木洋子にとって八住利雄は映画脚本家となるきっかけを与えた師であり、本作は水木洋子の出世作となる。

第24回キネマ旬報ベスト・テン第1位

1950年公開/製作:東宝/監督:今井正/出演:久我美子、岡田英次、滝澤修/上映時間:111分

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