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検索ワード: 小津安二郎

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東京物語 表紙画像

東京物語

小津安二郎,野田高梧

990円(税込)

2018-07-31

"浪漫堂シナリオ文庫で小津安二郎と野田高梧の共作シリーズ第三弾。日本映画の金字塔的作品。
尾道に住む老夫婦は東京で生活する息子や娘とその家族に会いに来る。初めは歓待した息子娘は忙しいことを理由に老夫婦をたらい回しにする。唯一、戦争で死んだ次男の嫁の紀子だけが心から歓待する。大家族が解体して核家族化する戦後の庶民の姿、そしてその心情をみごとに描いたドラマ。「紀子」は今回は若い未亡人である。

「晩春(1949)」と「麦秋(1951)」と「東京物語(1953)」は「紀子3部作」と呼ばれることもある。「紀子」役を原が演じているが三本のドラマの因果関係はない。
毎日映画コンクール 女優助演賞受賞。サザーランド杯受賞。キネマ旬報日本映画 オールタイム・ベストテン1位受賞。キネマ旬報オールタイム・ベスト映画遺産200 日本映画篇1位受賞。英国映画協会『Sight&Sound』誌映画監督が選ぶ史上最高の映画ベストテン1位受賞。

1953年/松竹/監督:小津安二郎/主演:原節子、笠智衆、東山千栄子、杉村春子、山村聡

公開
1953(昭和28)年10月
製作/松竹大船 配給/松竹 上映時間/2時間15分 モノクロスタンダード"

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東京暮色 表紙画像

東京暮色

小津安二郎,野田高梧

990円(税込)

2020-02-03

このシナリオは「エデンの東」を念頭に小津安二郎が翻案したとされている。1957年公開。陰鬱な雰囲気をまとったストーリーに野田高梧は否定的で、小津としばしば対立したらしい。この作品の根底には戦争がある。その傷は深い。陰鬱は陰鬱として描かねばならない、そんな意志が物語の結構にうかがえる。悲劇の根本はなんなのか、いったい誰が悪いのか。それでもそれぞれの家族は明日を向いて生きていかなければならないのである。有馬稲子の純真さが辛い。

1957年/松竹/監督:小津安二郎/主演:原節子、有馬稲子、笠智衆、山田五十鈴

公開
1957(昭和32)年4月
製作/松竹大船撮影所 配給/松竹 上映時間/2時間20分 モノクロスタンダード

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浮草 表紙画像

浮草

小津安二郎,野田高梧

990円(税込)

2020-02-03

1934年の松竹蒲田作品「浮草物語」を大映でリメイクした作品。1959年公開。野田・小津コンビのシナリオは旅役者もの。舞台は志摩半島の港町。その町の劇場に数年ぶりで旅役者の一座がやってくる。町で料理屋を営む座長の愛人。彼女の家には成長した座長の息子がいた。しかし、座長には誰もがその仲を認める女役者がいる。雨の中、息子の存在を知った女役者と座長との罵り合いはこのシナリオの白眉である。その息子と一座の少女との駆け落ち事件もからみ、浮草稼業のドサ回りは大団円を迎える。

1959年/大映/監督:小津安二郎/主演:中村鴈治郎、京マチ子、川口浩、若尾文子、杉村春子

公開
1959(昭和34)年11月
製作/大映東京撮影所 配給/大映 上映時間/1時間59分 カラースタンダード

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宗方姉妹 表紙画像

宗方姉妹

小津安二郎,野田高梧

990円(税込)

2020-02-03

題名は「むねかたきょうだい」と読む。大佛次郎の同名小説を野田・小津コンビが脚色した。1950年公開。自由奔放に生きる妹と、好きな人がいたのに意に染まない見合結婚をした姉が、家庭の中で軋轢を生み対立する。古い生き方と新しい生き方。因習にとらわれた家庭とモダンな家庭。シナリオはそれら概念を姉妹をとおして際立たせ「本当に新しいものとは何か」を巧妙にあぶり出す。後半、妹に問いかける姉のセリフはけだし名言である。
第1回ブルーリボン賞 主演男優賞受賞。第5回毎日映画コンクール 助演賞受賞。

1950年/新東宝/監督:小津安二郎/原作:大佛次郎/主演:田中絹代、高峰秀子、上原謙、笠智衆、山村聡、高杉早苗

公開
1950(昭和25)年8月
製作/新東宝撮影所 配給/新東宝 上映時間/1時間52分 白黒スタンダード

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お早よう 表紙画像

お早よう

小津安二郎,野田高梧

990円(税込)

2020-02-03

1959年、小津安二郎の監督50作目。野田・小津コンビのシナリオは東京郊外の住宅地を舞台に、当時のあこがれであるテレビや洗濯機をめぐって大人と子供の世界をユーモアたっぷりにほのぼのと描いた。ただ、大人の三種の神器に翻弄される描写は辛辣で、ジュブナイルに偏らないバランスのよいホームドラマになっている。

1959年/松竹/監督:小津安二郎/主演:設楽幸嗣、島津雅彦、三宅邦子、笠智衆、佐田啓二、久我美子

公開
1959(昭和34)年5月
製作/松竹大船 配給/松竹 上映時間/1時間34分 カラースタンダード

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お茶漬の味 表紙画像

お茶漬の味

小津安二郎,野田高梧

990円(税込)

2020-02-03

夫婦生活の亀裂と再生を、妻役の木暮実千代を中心に描く。1952年公開。シナリオは野田高梧と小津安二郎の共作。妻は洗練された上流階級の家で育ったが、夫の佐分利信は信州の田舎から上京して今の地位を築いた苦労人である。都会人と田舎者のすれ違いが夫婦に投影さる。夫に無断で友達のところに泊まりにいく妻、外国に転勤が決まった夫。結婚して初めての双方の不在。そこで二人は初めて気づくのであった。毎日映画コンクールで佐分利信が男優主演賞受賞。
毎日映画コンクール男優主演賞受賞。

1952年/松竹/監督:小津安二郎/主演:佐分利信、木暮実千代、鶴田浩二、淡島千景、津島恵子

公開
1952(昭和27)年10月
製作/松竹大船 配給/松竹 上映時間/1時間55分 白黒スタンダード

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早春 表紙画像

早春

小津安二郎,野田高梧

990円(税込)

2020-02-03

経済白書が「もはや『戦後』ではない」と宣言した1956年、野田高梧と小津安二郎は復興を成し遂げようと勢いにのる東京を舞台に、幼子を失った若いサラリーマン夫婦(池部良、淡島千景)の心のゆらぎと再生を描いた。もはや戦後ではなくなっても、人々は戦争を忘却したわけではない。野田・小津シナリオには戦争がよく登場する。池部良は三井弘次、加東大介ら戦友と再会をはたし「シャンラン節」を合唱するのであった。

1956年/松竹/監督:小津安二郎/主演:池部良、淡島千景、岸惠子

公開
1956(昭和31)年1月
製作/松竹大船 配給/松竹 上映時間/2時間24分 モノクロスタンダード

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小早川家の秋 表紙画像

小早川家の秋

小津安二郎,野田高梧

990円(税込)

2020-02-03

題名は「こはやがわけのあき」と読む。シナリオは前年の「秋日和」完成後、野田高梧の蓼科の別荘雲古荘で小津と共同で執筆された。これまでずっと松竹で仕事をしてきた二人(野田高梧は1946年にフリー)にとって初の東宝作品となった。1961年公開。京都伏見の造り酒屋で繰り広げられる人間味あふれるホームドラマ。酒屋は当主の万兵衛が年老いたため長女の夫が実質的に切り盛りしている。早死した長男の嫁の再婚、次女の縁談、万兵衛の愛人問題などが錯綜する。

1961年/宝塚/監督:小津安二郎/主演:中村鴈治郎、原節子、司葉子、新珠三千代

公開
1961(昭和36)年10月
製作/宝塚映画 配給/東宝 上映時間/1時間53分 カラースタンダード

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秋刀魚の味 表紙画像

秋刀魚の味

小津安二郎,野田高梧

990円(税込)

2018-10-30

妻に先立たれた初老の父親と婚期を迎えた娘を嫁がせた父親の「老いと孤独」というテーマを描く。似たテーマの他作品もあるがセリフ、風俗などより現代のホームドラマに近くなっている。
主演の笠智衆は孤独な父親を見事に演じ、娘役の岩下志麻も快活な演技を見せ、これまでの小津作品とは違った味わいを醸し出している。また、笠智衆と中村伸郎、北竜二演じる友人たちとの応酬が喜劇味を加えている。この作品を発表した翌年の1963年、小津監督は60歳の誕生日に亡くなったため、この作品が彼の遺作となる。

1962年/松竹/監督:小津安二郎/主演:岩下志麻、笠智衆、佐田啓二、岡田茉莉子、中村伸郎、東野英治郎

公開
1962(昭和37)年11月
製作/松竹大船 配給/松竹 上映時間/1時間53分 カラースタンダード

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麦秋 表紙画像

麦秋

小津安二郎,野田高梧

990円(税込)

2018-07-31

浪漫堂シナリオ文庫、小津安二郎と野田高梧の共作シリーズ第二弾。
「晩春」に続く「紀子」の結婚を描いた作品。「晩春」では婚期を逃した娘と妻を亡くした父を描いているが、「麦秋」では大家族の中の娘(紀子)の結婚がモチーフとなっっている。紀子は戦死した兄の親友の後添えとなることを決意する。その結婚を機に大家族は離散する。
晩春のバリエーション的な作品と思われがちだが「父娘の物語」から「麦秋」で「大家族の物語」となり「東京物語」では核家族化へと進んでいく。

「晩春(1949)」と「麦秋(1951)」と「東京物語(1953)」は小津映画で「紀子3部作」と呼ばれることもある。「紀子」役を原が演じているが三本のドラマの因果関係はない。
キネマ旬報ベストテン第1位受賞。芸術祭文部大臣賞受賞。ブルーリボン賞監督賞受賞。
毎日映画コンクール日本映画賞、女優演技賞受賞。東京都民映画コンクール第1位受賞。

1951年/松竹/監督:小津安二郎/主演:原節子、笠智衆、淡島千景、菅井一郎、東山千栄子

公開
1951(昭和26)年10月
製作/松竹大船 配給/松竹 上映時間/2時間4分 白黒スタンダード

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晩春 表紙画像

晩春

小津安二郎,野田高梧

990円(税込)

2018-07-31

浪漫堂シナリオ文庫、小津安二郎と野田高梧の共作シリーズ第一弾。
広津和郎の短篇「父と娘」からの作品。
この作品から小津と野田は再びタッグを組み小津の遺作「秋刀魚の味」まで13作を製作している。「晩春」」は小津が原節子と初めてコンビを組んだ作品でもある。小津の作品に原は6作に出演している。
娘の結婚を巡るホームドラマを小津が初めて描いた作品であり、その後の小津作品のスタイルを決定した。小津にとって、一転して娘の結婚をめぐるホームドラマという普遍的な題材は興味を引くものだった。
「晩春(1949)」と「麦秋(1951)」と「東京物語(1953)」は小津映画で「紀子3部作」と呼ばれることもある。「紀子」役を原節子が演じているが三本のドラマの因果関係はない。
キネマ旬報ベスト・テン日本映画部門1位受賞。

1949年/監督:小津安二郎/原作:広津和郎/主演:原節子、笠智衆、月丘夢路

公開
1949(昭和24)年9月
製作/松竹大船 配給/松竹 上映時間/1時間48分 白黒スタンダード

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彼岸花 表紙画像

彼岸花

小津安二郎,野田高梧

990円(税込)

2022-02-14

里見弴原作、小津安二郎と野田高梧脚本の1作目。小津監督初のカラー作品である。
会社常務の平山渉(佐分利信)は結婚適齢期を迎えた娘・節子(有馬稲子)がおり、勝手に縁談を進めていた。
しかし節子には親に黙って交際していた谷口(佐田啓二)という相手がおり、娘が相談もなしに結婚を決めたことに激怒する。友人の娘の縁談には別人のように寛容なのだが、身内のことになると頑固を貫く。その姿は子煩悩がゆえの父親なりの心情であった。
小津は学生時代より里見弴の小説を愛読していた。家が近所で里見との親交も深まり、脚本の意見を求めることも多くなった。本作は小津の依頼を受け、映画化のために執筆した作品であり、『秋日和』に関してもそれにあたる。

第32回キネマ旬報ベストテン第3位

1958年公開/製作:松竹大船/監督:小津安二郎/出演:佐分利信、有馬稲子、田中絹代、山本富士子、佐田啓二、笠智衆/上映時間:118分

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秋日和 表紙画像

秋日和

小津安二郎,野田高梧

990円(税込)

2022-02-28

里見弴原作、小津安二郎と野田高梧脚本の2作目。
共通の友人だった三輪の七回忌で、間宮(佐分利信)、田口(中村伸郎)、平山(北竜二)の3人は、未亡人である秋子(原節子)とその娘アヤ子(司葉子)と再会する。婚期を迎えたアヤ子に縁談を持ちかけようとする3人だったが、アヤ子は母親を一人にすることに躊躇する。母親の再婚話も浮上する中、母娘で訪れた旅行先にてそれぞれ自分の将来についての決意を固める。
多くの小津作品で娘を演じていた原節子が初めて母親役を演じた。『晩春』等、父と娘の設定が多い中で、本作は娘を思う母親が描かれている。
料亭での取り巻きの紳士たちの会話はユーモラスで、それぞれの家族について語り合う。小津のカラー作品では度々同じような場面が出てきており、家族を映す上で一つのセオリーになっていった。
里見弴と小津安二郎の関係は非常に深く、小津は里見から脚本の意見を度々聞いていた。ちなみに里見の四男である山内静夫は『早春』以降プロデューサーを務めており、小津監督の遺作『秋刀魚の味』まで担当している。


1960年公開/製作:松竹大船/監督:小津安二郎/出演:原節子、司葉子、佐分利信、岡田茉莉子、中村伸郎/上映時間:128分

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