0課の女 赤い手錠
990円(税込)
2022-11-28
脚本の神波、松田コンビにとっては、「さそり」シリーズに続く篠原とおるの人気劇画(「リイドコミック」連載)のシナリオ化。この頃、神波と松田は「とにかく暴力映画をとことんやろう」という興奮状態が続いており、若い監督たちを刺激しまくっていた。「0課の女」は野田幸男監督の最高傑作と評されている。
シナリオでは、前半から米軍機やデモ隊のカットが挿入される。舞台となっている場所が基地の街だからであるが、それらは「シーン80」の壮絶な戦いに織り込まれるイメージシーンで昇華する。犯人と被害者、女刑事それぞれのイメージが「かあちゃーん!!」のセリフに重なったとき、すべては許されたのかもしれない。
「0課の女」は平成になってから何度かVシネマでもリメイクされている。
底本:「映画芸術」1975年4〜5月号(No.304)