銀河系
990円(税込)
2019-01-30
実験映画・演劇の殿堂として人気を博した新宿文化地下の「アンダーグラウンド蠍座」。そのこけら落としとして、長蛇の列ができる熱狂の中、「銀河系」は上映された。足立正生は蠍座が発行した「シアタースコーピオNo.1 足立正生シナリオ集」の「はじめに」で次のように書いている。
「(前略)視すぎるまでに視ようとするために物語る自己。視えないが故に、視たいものを表現しようとする自己。……その二つが、一枚岩的な表裏を形造った時、戯作者としての「私」が登場するのだろうか。/「視る」者は、おおむね「視たい」だけだという。自意識中心の単なる記録者にすぎないという表現論の逆説がある。/しかし、本当は、表現するものの全ては、「視える」ものなのだから、私にとって、その逆説こそ、表現の定説なのである。/私から捨象し続ける「私」と、表現に於ける自意識のエネルギーを持ち続けようとする「私」こそがあるのだろう。/ここに掲げられた作品の中で模索しているのも、そのことなのである。」
1967年/自主製作/監督:足立正生/主演:花上晃、竹邑類、真野三種、南裕輔